社長メッセージ

私たちのDNA

日本文教出版の教育専門出版社としてのDNAは、「現場の先生の指導と子どもの学びに常に寄り沿う」という姿勢と、「子どもの創造力を育てる教育」への挑戦であります。

弊社の創業者である佐々木国雄は、昭和8年(1933年)、教科書・教材出版社に入社、昭和14年(1939年)から駐在員として中国の上海に赴任し、現地学校現場での教材普及に努めました。終戦後、日本に引き揚げてからは、子どもが学ぶに十分な教科書・教材がないという当時の国内の教育現場の状況に衝撃を受け、学校の先生方の強い要請に応える形で、教科書・教材の出版に着手し、日本文教出版を設立しました。ここに、私たちのモノ造りのDNAである、常に現場の先生の指導と子どもたちの学びに寄り沿うという基本方針が生まれました。

もう一つの、創造力を育てるというDNAは、「概念くだき」という大正時代初期に源流をもつ自由画教育理論を戦後の美術教育に採り入れ、そのパイオニアとして大いに普及させた過程で生まれました。模写や暗記を中心とした戦前の教育方法を乗り越え、より発展的で自由な子どもの創造力を育てる教育への挑戦でありました。

私たちは、この二つのDNAをしっかりと受け継ぎ、わが国の教育の向上に貢献するとともに、文化の進展と社会の繁栄に寄与するため、教育出版活動を続けています。

幅広い教科への取り組みと、
社会的使命の追求

私たちは、現在、会社のルーツでもある美術・図画工作教育を柱に、道徳科、社会科、算数・数学科、情報科、等の分野において教科書・教材を発行しています。自己変革を是とし、常に積極的思考に基づいた行動を心掛けています。

人間にとって、教育とは、受けたその時だけではなく、一生の長い時間の中で、様々な影響をその人生に及ぼす奥の深い営みであります。

その意味で、学校で使用する教科書・教材の発行だけではなく、学校教育と社会生活との繋がりをできるだけ橋渡ししていくような活動を広げたいと考えています。例えば、芸術作品や歴史的文化遺産に接した時の感動や驚きを、学校教育で身につけた素養や知識をよみがえらせることによって、更に深いものしていく、そのような仕組み・手段を社会に提案していく所存です。

願い

人は生まれた瞬間から自由な発想・創造性と好奇心に溢れています。そして、集団生活の中で他者との関係性の認知や自己調整力を培いながら育っていきます。そんな人間の成長の過程の中で、私たちは、一人一人の心に灯る「もっと知りたい」「創りたい」「あそびたい」「楽しみたい」という気持ちを大切にしながら、その先に広がる未来を共に育んでいく存在でありたいと思います。

幸せな人生につながる営み、「一人一人が生まれながらにもっている豊かな心を更に膨らませて、より深い素養・教養を育んでいく」こと。

それを応援する為なら、私たちは、教える人、学ぶ人の為にどんな事でも喜んでしたいと願っています。

日本文教出版株式会社
代表取締役社長

佐々木 秀樹