指導や授業で、つまづきがちな悩みや疑問をとりあげ、ベテラン教師から読者と同じ目線で問題解決へのアドバイスを提案します。
発達段階と授業
どのような題材をどのように授業展開すべきなのかは、生徒の発達段階で大きく変化します。例えば自画像の制作を例に見てみると、鏡等を使って自分の姿をよく観察し、どのような特徴があるのか表現することは1年生でも可能ですが、自己の内面と向き合い、哲学的な思いを表現として追及することは3年生にならないと難しいことが多いものです。つまり、どのような題材が妥当であるのかは、生徒たちの成長を見極めながら授業全体の展開を構造化する教師の力に求められるのです。
学ばせたい学習の目標は、3年間を見通し、目の前の生徒たちの成長を実感しながらそれぞれの時期に妥当と思われるものを選択していくべきでしょう。その上で、一つの題材を教師が提示するとき大切なことは、その題材との出会わせ方です。これから数時間をかけて制作していく原動力を生む出会いが必要になるのです。
感動的な意味ある出会いを演出したいものです。
学ばせたい学習の目標は、3年間を見通し、目の前の生徒たちの成長を実感しながらそれぞれの時期に妥当と思われるものを選択していくべきでしょう。その上で、一つの題材を教師が提示するとき大切なことは、その題材との出会わせ方です。これから数時間をかけて制作していく原動力を生む出会いが必要になるのです。
感動的な意味ある出会いを演出したいものです。
学びの主人公は生徒自身
ゼロから発想することは困難です。発想を引き起こすためにはどのような授業の仕掛けが必要になるでしょうか? 資料の鑑賞でしょうか? 興味を引く素材との出会いでしょうか?新たな知識や技術でしょうか?注意したいのは教師が持つ完成イメージを制作の方向性として強制してはいけないということです。学びの主人公はあくまでも生徒自身です。生徒の活動を見つめ、どのような学びのための時間であるのかを考え、試行錯誤している姿に寄り添いながら、豊かな学習の流れを創造することが求められます。これこそ授業をデザインする力なのです。
(文 川合 克彦)