ここがポイント
「指導力」の在り処
厳しい指示が子どもたちになされると、一見集団は統制が取れたような様相を示します。しかしそこで見せる子どもたちの姿と心は、今、統制が取れてように見える現実とは大きくかけ離れていることが多いのです。本当の指導力とは教師と、子どもたちの関係性において語られなければなりません。
「信頼」される教師
教師はこれから行う授業をイメージし、デザイン(=設計)します。デザインを考えるためには日ごろの子どもたちの心の有り様を基盤とすることが大切です。と、同時に自分の姿も客観的にデザインしてみる必要があるのです。子どもたちは教師の教えや流れ、さらに教師の人柄といった個性とを区別して受け入れようとはしません。教師の姿すべてにおいて学びます。ですから受け入れられるためにふさわしい教師像が求められるのです。そこで大切にされるべきは子どもたちの心に寄り添える教師であるのかということが重要です。子どもたちの心の有り様を大切にする教師と子どもたちの間には信頼が生まれます。そうです、「子どものことを大切に思う」教師と子どもたちとの間にのみ信頼は生まれるのです。これは決してノウハウでありません。
まず生徒の生きざまに寄り添ってみましょう。「私は教師だ」と強がっても何も生まれません。指示すべきことを高い位置からしっかりと指導することもとても大切です。しかしそればかりではいけません。同じ目線でかがみながら一緒に考える、また、低くしゃがんで話を聞く優しさも大切です。愛情に裏打ちされた子どもたちの心に寄り添える3つのスタンスを持った教師であることが大切なのです。
(シナリオ・監修、文 川合 克彦)