本コーナーでは、さまざまな題材ごとの解説をポイントに絞った内容で掲載しています。
目標
- 形や色彩、構図や人物の描き方などから、作者の心情や意図と創造的な表現の工夫を感じ取る
- 歴史に残る名画のよさや美しさについて理解や見方を深める
- 国際理解の立場から美術の文化を尊重しそれらの遺産を大切にしようとする心情を養う
題材の特徴
- 彫刻や建築、解剖学など、幅広い分野にその能力を発揮したレオナルド・ダ・ビンチの科学的な視点のすばらしさについて学ぶことができる
- 世界的な名画と言われるこの作品の魅力について味わう機会になる
- 科学と芸術の関係について、考えることができる
- 世界の文化遺産を大切にする心情を養う
授業の流れ
- 描かれている事物や人、構図や色づかいなど、事実として共通に認識できるものについて意見を出し合う
- 描かれた人物の表情やしぐさ、構図、図法の応用の仕方などから、作者の心情や意図と表現の工夫について意見を交換する
- 友だちの意見や教師の解説、自分の気付きなどを踏まえ、感じ取ったことや考えたことをまとめる
バリエーション
- 「最後の晩餐」に登場する人物の手に注目し、その心情や、その人物の画面上の役割などを想像する
- 人物の動きや表情に着目し、どのようなセリフがふさわしいのかを考えることで、主題にせまる
- 中央に位置しているキリストを中心にした一点透視図法を用いた大胆な構図の謎に着目する
- 修復作業の様子に触れ、文化遺産の保存についての必要性やその工夫や技術の充実について考える
- テンペラという技法がもたらす表現の魅力や描かれている修道院の空間などに着目し、当時の様子を想像してみる
指導のポイント
- 参考作品などを鑑賞し、多様な表現方法があることを知る
- 意見を出し合いアイデアスケッチをし、共同で構想を練る
- イメージに合った表現方法を工夫し、創造的にデザインを生み出す
- その場所を利用する人の意見も聞き、デザインの可能性や効果について話し合う
注意点
- 作者であるレオナルド・ダ・ヴィンチのもつ、科学的な視点や優れた観察力について生徒自身が気付けるようにする
- ルネサンス期の時代の特徴や根底にある宗教的な背景などについて、解説を適宜加えながら鑑賞が深まるように支援する
- この作品が世界的な名画と言われるのはなぜか、そんな問いかけから鑑賞を始めるなど、生徒が自分なりの価値観で作品について語り合えるよう工夫する。
評価のポイント
- 受け継がれてきた文化遺産への関心
- 主体的な美術文化への理解
- 造形的なよさや美しさを味わう
- 作者の心情や意図と工夫を味わう
- 美術文化を継承していくことの意義