題材のポイント vol.10
< 表現 >感情を塊で表す

 本コーナーでは、さまざまな題材ごとの解説をポイントに絞った内容で掲載しています。

目標

  • 具象表現とはちがい、自分のイメージを直接形に表す抽象表現の魅力を知る
  • イメージや形を単純化したり強調したりしながら、彫刻表現が持つ美しさを多角的に見つめる
  • アイデアスケッチを重ね、素材を工夫し、抽象的な立体が持つ魅力を引き出す表現を創造的に追求する

題材の特徴

  • 形の単純化や強調、塊や量感、ねじれやバランスなどの動きといった彫刻表現の基本的な魅力に迫る
  • イメージの表現を立体的に、素材と対話しながら表現する
  • 自分の抱いたイメージの形を追求する

授業の流れ

  • 参考作品などを鑑賞し、どのようなことを表現しようとした作品なのか味わい話し合って考えてみる
  • 心の中のイメージを表現するためアイデアスケッチを重ね、主題に結びつけていく
  • 多角的に、立体としての量感や動きの表現を創意工夫する
  • 自分の表現に合った素材や用具を選択し、表現を追求する
  • 自分の価値意識をもとにそれぞれの制作意図と、その表現を味わう

バリエーション

①:表現方法

  • 単一素材での表現 複合的な素材での表現
  • 形や量感、存在感を中心にした着彩をしない表現 色彩も含め表現する

②:材料・用具

  • 彫像・・・石や石膏 木材
  • 塑像・・・粘土(樹脂粘土など、着彩する、しないなど表現方法によって選択する)
  • 複合的な素材・・・複合的に作品を構成する

指導のポイント

  • 参考作品などの鑑賞を通して、写実的な見方だけでなく抽象表現の可能性を味わう
  • アイデアスケッチを重ね、具体的な形から強調や省略、量感と動きを出すなどし、主題のイメージが抽象的な形に変わっていく面白さを味わう
  • 表現材料や用具を選択し、主題を表すためにどのような方法があるのか表現を工夫する
  • 友だちと作品を鑑賞し合い、自らの価値意識をもとにお互いの表現意図や工夫について話し合う

注意点

  • 彫刻刀など刃物の使用方法等安全指導を徹底する

評価のポイント

  • 抽象的な表現の可能性を知り、自己の表現を追求しようとしている
  • アイデアスケッチしたことをもとに、主題の構想を練っている
  • 素材を吟味し、彫刻の持つ存在感や動き、バランスなど主題を創造的に表現している
  • 自分の価値意識をもとに柔軟な視点で、それぞれの作品を鑑賞し合い、感じ取り方や工夫を味わっている